大事なことは成長と衰退の前兆をつかむこと

2016.08.26 キャッシュフロー改善

当社が最も得意とし、重要と考えていることは、会社の成長兆候や衰退兆候を前兆時点でつかんで早期対応してしまうことです。成長兆候は経営管理のやり方で捕まえることができます。

飲食業であれば、曜日別客数、時間別客数、天候変数レベルまで、計画対実績をみていると、その店舗の現在のレベルがわかります。「何曜日は大体何人ぐらいの客数になる」「その何時ごろは大体何人くらいの客数になる」などです。

なんらかの構造改革や改善を継続して行う続ける中で、スタンダードデータを大きく跳ねて飛び越える実績数字がポツンと突如出てくる。

それを「たまたま」とは取り扱ってはいけないのです。結果には必ず原因があります。原因仮説を追求し、それを徹底してみる。そうすると、「階段状」に集客レベルが上がり、企業は成長します。

右肩上がりの曲線など成長企業にはありません。全て「階段状」です。成長の階段の「踊り場」をいかに短期間で終えるかが、成長企業経営者の手腕の見せ所なのです。

多くの企業では「売上」を日ごとや月ごとにモニターします。役員会では月次試算表と、その財務分析資料などが出てきます。しかし、そのような大雑把な対応ではほとんど何も分析や仮設立案に役立つ情報は得られません。大雑把な売上や決算上の利益を事後に「よかった、わるかった」と評論していても何の意味もありません。支出管理についても同様です。大雑把な把握や、担当者に任せっきりなどというような習慣は、企業成長に全く役に立ちません。経営とは意思決定して実行することなので、それに必要な情報は何か、経営者、幹部は真剣に取り組む必要があります。ありものの情報では使い物にならないことをしっかり理解することが重要です。

 

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衰退兆候は、成長兆候のその正反対の反応を示し、やがてガクッと階段状に集客が落ち売上が落ちます。そしてそれが当たり前の店舗となり、叱咤激励ばかりしていても、第二波、第三派が襲い掛かり、閉店を余儀なくされます。

前兆がわかるような経営管理やデータモニタのしくみを整備することが必要条件です。

それができてしまうと、成長や衰退の前兆が捕まえられ、その時点で素早く対応する習慣がつけば、荒っぽく言えば、窮境企業や破たんする企業などなくなり、誰でも成長企業を経営できるようになります。

(株式会社産業育成研究所 キャッシュフロー改善の専門チーム)